山と森と侗(トン)族と私

楽器

芦笙(ろしょう):竹製の管楽器

侗族芦笙には、八音、六音、三音の3種類があり、音が大きく耳障りが良い。三音芦笙を第一として発展した。3芦笙は、長さの異なる6つの竹で作られる。3本は一列で、木製で中が空洞になっているヘチマ型の木合に分かれた作りになっている。数十の芦笙が集まって1つの芦笙隊が組織され、高い音、低い音、和音などを十分に奏でる。

琵琶通道县侗族の琵琶は2種類のサイズに分類され、形状は3弦と似ている。全て木で作られ、4弦(音は5663)ある。真ん中二本は同じ音。弾くと自然のハーモニー効果が生まれる。

侗笛侗族の若者が好んで演奏する楽器の1つ。

 

牛腿琴:弓弦楽器。形が牛の足に似ていて、バイオリンと演奏方法が似ている。弦は二本で弓は外側にあり、弓を弦に摩擦させて低い音を出す。

工艺习俗(p54-56)

侗绵:小さい娘からおばあさんまで侗族の女性のほとんどは刺繍が出来る。特に、刺繍の上手な娘は人々に羨望、賞賛され、とても愛される。黒白(橙?)紗あるいは5色の糸が用いられる。その品物は多種多様で、衣服、背負い帯、头帕(バンダナ?)など。図柄も4角形だけでなく何角形のも、円形、ひし形、動植物の絵柄もある。侗绵の縫製は精緻で色合いは鮮やか、侗族女性たちの聡明な才能の結晶だ。

侗族编织工芸品:织锦(錦織り),绣花(刺繍),桃花,贴花(マッチ箱のラベル)などを含む。その文様の対象は太陽、月、星、山水人物、龍、鳳凰など飛ぶもの、走るものから花木虫魚など全ての万物。そのうちいくつかの文様は、数千年に渡り広大な侗族の生活の中に浸透、伝わったものもある。多くの神話や民間歌謡、口頭文学、歌形式も全て文様の中に表現される。描かれる万物は哲学に満ちていて、素朴さのなかに優美さ、美しさが溢れている。

銀器:史料によると、侗族の銀器は唐宋時代からとても評判だった。平坦乡阳烂村には銀匠職人が多くおり、昔から“銀匠村”と呼ばれている。

主に頭飾り、腕輪、耳飾り、首飾りなどで、富の象徴でもある。

木彫:家具、窓枠、手すり、柱、梁の上、鼓楼、花橋、寨门などの建築物によく見られる。図案は花、鳥、魚、虫、人物、草木、龍、鳳凰など。木の根を使った彫刻品の多くは各種各様の装飾品、鑑賞、所蔵の価値がある。通道県には木彫の有名な職人が多い。

竹彫竹編:竹彫工芸は主に芦笙笛などに用いられる。竹編には多種多様な品物があり、精巧で鑑賞の価値がある。女性専用の花瓶、男性専用の鳥かご、虫かご、及び日常用の弁当箱。

絵画:民族民間の絵画形式は多種多様、主に公共建築施設である鼓楼、涼亭、風雨橋、廟の天井板と壁画に用いられ、人々に深く愛されている。

民間絵画職人の基本技能はしっかりとしたもので、技術は熟達している。

 

 

蘆笙は中国の南西地域のミャオ族、トン族などの少数民族のリード付きの竹管楽器であり、西漢(前20625)の初期に現れた。

蘆笙は大小さまざまなものがあり、管の数も同じではなく、単管、双管ひいては五管、六管、八管、十管のものもあり、しかし、よく使われているのは六管のものである。六管の蘆笙の構造は6本の長さの異なった竹管を2列にならべたもので、木製の笙斗(丸い箱のようなもの)に挿し込み、管の下部にそれぞれ1枚の銅製のリードを付け、管の下端にそれぞれ穴を一つ開け、吹奏する際、指で穴を押しつけるようにして音を出すわけである。一部の蘆笙は管の上端に竹を割り裂いて折り上げた三角形のラッパ状のもの或いはちょっと大きい竹筒がくっついており、共鳴箱の役割を果たしている。それぞれの管の音の高さの排列は地域と民族によって異なる。吹奏する際、単音でメロディーを奏し、同時に二つ以上の加音を出して伴奏とする。

蘆笙の多くは独奏、合奏と踊りの伴奏に使われている。貴州省のミャオ族居住地域には大小さまざまの4種類の蘆笙からなる楽隊があり、フルセットの伝統的な蘆笙曲もある。

何回もの改良を経て、15管、20管、26管、36管の蘆笙も現れた。いくつかの蘆笙は木製の笙斗が金属のものに改造され、鍵盤がついたものもあり、音域がさらに広げられ、12の半音を吹奏することができ、変調も可能となり、かなり複雑な楽曲を演奏することもできる。

排笙は新中国成立以後に蘆笙の原理に基づいて改革し、発展させたものである。排笙には20本の管があり、鍵盤を使って弾奏し、足踏み式のフイゴによって空気を補助的に吹き込み、音量を大きくし、音域を広げ、楽隊の中の低音の管楽器となっている。

蘆笙筒は大筒とも言い、ミャオ族の単音蘆笙筒の原理をベースとして発展してきたものであり、29本の管があり、鍵盤を使って弾奏し、楽隊の中では低音の管楽器である。音色には厚みがあって高らかである。蘆笙の管は半音の順で並べられており、12の音調を演奏することができる。


  上の二つが小琵琶、左下が大琵琶、右下が牛腿琴 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チャルメラ

 

 

中国の民間管楽器の一つで、ラッパとも言われ、小さなチャルメラは海笛とも言われている。中国のチャルメラはペルシャ、アラブのダブル・リード管楽器のソルナから発展してきたもので、民間で最も広く使われている楽器の一つである。合奏、独奏のほか、伝統演劇、歌と踊りなどの伴奏にも使われている。民間では、結婚のめでたい日や祝日のたびに、吹奏楽器・打楽器楽隊とどら太鼓楽隊のほとんどはチャルメラなしではだめと言われているくらいだ。

チャルメラは呼び子、気盤、芯(しん)、管体、ラッパ口からなっている。管体の多くはコノテガシワの木で作ったもの(竹製ものや錫、鉄、銅などの金属で鋳造したものもある)で、管体の上に8つの音孔が開けてあり、小さなチャルメラの場合は、円錐状の管体の上に7つの音孔を開けたものもある。木製の管体の上端に銅製の管を付け、銅管の上端にアシの茎で作った呼び子を付け、木製管体の下端にラッパ状の銅製の拡声装置が付いている。音声が高らかで明るく、息を上手にコントロールすることができる民間の楽手はソフトで美しい簫(尺八のように上部から吹く長い笛)の音を出すこともできる。

改良されたチャルメラには高音、中音、低音の三種類があり、鍵盤のついたものもあり、音域も広くなっている。チャルメラは主に民間の太鼓を交えた吹奏楽(例えば、山東、河北、山西、河南、安徽、吉林、遼寧などの省で)と吹奏・打楽器としての演奏(例えば、浙江、江蘇、広東などの省で)に使われているが、ウイグル、チベット、蒙古、イー、リーなどの少数民族地域でも広く使われている(しかし、構造と名称はいくらか異なる)。

「チャイナネット」200412

 

 



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中国, 湖南省, 懐化市, 侗族, トン族, 日本語教育, 大阪大学。わたしたちは、中国湖南省懐化市にて「日本語教育」と「観光事業」をおこない、懐化市の人々との文化的な交流・相互理解を促進することを目指す、大阪大学で活動しているサークルです。 inserted by FC2 system