山と森と侗(トン)族と私

葬儀と埋葬の習俗(丧葬习俗)

納棺と出棺:老人の病気が危篤状態になると、それが母親の場合、喪に服する人は、母方の兄弟(おじ)の家にまず知らせる。父親の場合は、まずすでに嫁いでいる女の子に知らせる。生気が落ちると、全ての歯の歯たたきをする必要があり、そしていくらかの砕いた銀を口の中に含ませる。経帷子(死者に着せる着物)は上着3~5枚、ズボンは多くても3枚を着せる。(棺の)床を1から3枚の敷物を敷き、のぞいて見る女の子と息子の嫁の多少により、多いは多いなりに、少ないは少ないなりに、ふたを被せる。一般には棺を1日、多くても3日を越えない範囲で、家においておく。
入棺装束:男(の死者)は頭を剃りあげ、女(の死者)は髷(まげ)を結う。死体を湯浴みさせたあと、死者が男なら長男の肌着を体につけて着、女なら長男の嫁の下着を体につけて着る。死者の両手に、若干の紙銭を持たせておく。生前に善行があり、はっきりした功績がある場合(寺院修復や公益事業への寄付の領収書)これも手の中に持たせておく。死出装束ですっかり身を包むと、中央の部屋の冷たい床に置き、高齢の老人が、赤い毛布で覆う。入棺の時、死体は必ず水平に置く、おじが棺が水平に置かれているかを監視し、子孫が貧富無く、子女の家族が偏らない(特に子が無いことをさす)ように、棺が斜めになるのを許さない。
喪に服する期間は、子女や嫁は生臭物を食べるのを禁じられ、ご飯を食べるのに茶碗と箸を用いず、わらじを履き、水を飲まず(子女や嫁が水を飲むと、死体が腐りやすいと言われている)、顔を洗うのを許されない。吉日を選び山に登ったあと(註)、すぐ精進落ちになる。出棺後、死者が生前に用いた物品は、火にくべて焼かねばならない。
一家の喪に際して、喪に服する人が肉と線香・紙銭と親類と友達に布を送る費用を持つほかは、全て村で引き受け、穀物や野菜は皆、村全体、大家族によって贈られる。
棺を巻く:山に登る日(註)、白布と青布を用いて、棺を、青白色交じりの筋のある模様に巻きつける。出棺の時、棺の両脇の白い布を引っ張り、親族の孫たち皆でゆっくり引っ張ってゆく。棺を巻いた布は、葬儀が終わった後すぐ、棺を運んだ者に分け与えられる。
告別:喪があけると、喪に服する人は、魚(塩草漬けが最もよい)、肉、酒、粟を選んで、告別の行事をする。父が死んだ時は、嫁いでいる女の子の家で告別の行事をする。母が死んだ時は、母方のおじの家で、告別の行事をする、その時長男は閉じた傘とちょうちんを持って、死んだ人の魂を呼んで一緒に行き、帰るときも同じにする。告別の行事は、ある地方では、魂探しと呼び、母方のおじの家は粟などの礼品に縁起のよい文句を書き添えて贈る。

(註)登山―吉日を選び山に登るとか、山に登る日とあるのは、墓や山の上のほうにあり、 棺を持って山に登り埋葬ということ意味すると思われる。災難にあった人を火葬に するほか、一般には土葬。

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中国, 湖南省, 懐化市, 侗族, トン族, 日本語教育, 大阪大学。わたしたちは、中国湖南省懐化市にて「日本語教育」と「観光事業」をおこない、懐化市の人々との文化的な交流・相互理解を促進することを目指す、大阪大学で活動しているサークルです。 inserted by FC2 system